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2003年の予測

2003年01月

2003年は日本のインターネットが「ブロードバンド環境の整備」から「インフラの活用」の段階への転換期になりそうである。ブロードバンド人口がインターネット人口の約30%になった今、様々な企業もブロードバンドの波に流され大容量データのWebサイトを立ち上げたりしている。

しかし、よく見てみると、日本企業の約95%以上を占めるとも言われる中小零細企業はこれらを活かせているのだろうか?実際現場に立ってみると、インターネットの回線すらままならない企業がまだまだ沢山ある。

しかし、いざそれらの企業に電話をかけてみると「NTT回線に接続いたします・・・」とのアナウンスが。

「?」と思われた方もおれらるかもしれないが、IP電話を導入しているのである。それは決して設備投資といった意味でのIP電話ではなく、あくまでもコストダウンのためのIP電話なのである。

コストダウン・・・すなわち、企業にとって守りの部分であるにもかかわらず、これらが最先端なのである。

実はITなんてそんなものである。営業マン(広報)としてのWebサイトを立ち上げるといったことや、管理システムをWeb化しどこからでもネットワークに接続する事によってリアルタイムな情報を共有する事等、攻めの部分も実は全てがコストダウンに繋がる事ばかりである。ただ、それらを構築する初期投資が必要なものと、初期投資すら必要としないものの差であってコストダウンのためという目的は変わらない。

ただ、ブロードバンド化が進行している社会になり、ITを用いたビジネスの発展スピードが加速度的に速くなってきている。今、必要でなくとも将来的に必要なものであるならば、今年が最後の年になると思われる。

企業において、「ITによる経営革新は必ず起こるわけではないが、ITを使わない次世代の経営はありえない」(「即応力の経営」戸田忠良著)という言葉の通り、次世代の経営・・・即ちITを用いた情報活用による企業力の攻めと守りを構築していくのは今年で最後となりそうなのである。

電気製品を買うのに「もう少したったらもっと良いのが出てくるよ」と言って買わない人がいるのと同じである。もっと良いのが出ている頃には、さらにもっと良いのが出ているであろうし、「もっと良いものが出てくるよ」と言った人が実際使う頃には、どのように使ったらいいのかわからず、ただ時代に取り残されていくだけとなっていく。

2003年、今年はブロードバンドの浸透により「インフラの活用」によって様々な分野で様々な企業が生き残りをかけた情報戦略が仕掛けられてくるであろう。