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以前は活気あふれる工場地帯も、今では錆びたシャッターが下ろされままの町工場が目につき、廃業を決めた工場の跡地には、新築マンションが建ちはじめている。これらは、東京都大田区や大阪府東大阪市など、モノづくりの街で見られる光景だ。これらの背景の一つには、大手企業の製造部門の海外進出などにより、国内に取り残された町工場や中小企業に仕事がまわってこないことが大きな原因と考えられる。
こうした厳しい環境下で生き残るために、一部の経営者はインターネットを利用して事態の打開を模索しはじめている。しかし、それが直接受注に結びつき事態の打開に成功した例は少なく、打開策になると考えていても、なかなか決定打にならないのが実情だ。
では、なぜ一部の企業ではあるといえ大きな打開策となった企業があるのか？それは、インターネットを利用しているだけでなく、インターネットの特性を把握し、それを活用したからに他ならない。優れた技術やノウハウ・企画力のある企業は、インターネットを活用した生残りの条件は整っており、インターネットの活用が大きな打開策となる可能性が秘めている。しかし、独自性や技術があったとしてもインターネットを活用し、どのように市場に売込むか？つまり、市場に売込む能力とマーケティング能力が無ければ淘汰される危険性は高まる。また、新たな市場へ売込む能力やマーケティング能力を鍛え上げるツールは、限界こそあるとはいえ、やはりインターネットしかないのが現状だ。
実際、大企業も今まで以上に優れた技術やノウハウを持った日本の中小企業を真剣に捜し求めている。これは、生産拠点を海外に移転したとしても、自社の強みになる戦略製品の開発は日本で行いたいと考えているからだ。しかし、インターネット上にいる中小企業の数は多く、優良企業の判別が難しい。また、本当に技術力やノウハウがある企業の経営者は、職人気質であったり、今までの方法から脱することができず、なかなか自社の技術やノウハウをアピールしようとしないのが実状だ。
つまり、技術力とノウハウを磨き上げている企業ならば、インターネットを使ったアピールに工夫をこらせば、この厳しい環境下で生き残ることができる。また、市場のニーズをつかみ、提案力や企画力を売込めれば、崩壊した系列構造の隙間をぬって取引先を開拓するチャンスも生まれてくる。さらには、中国企業や国内の大手企業に勝てるはずがないと思われたコスト競争力でも、インターネットの利用で逆転させられる可能性すらあると考えられる。
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